最近、速読が出来るようになりました。速読のトレーニングをしたわけではありません。
先月は30冊の本を読みました。
それまでは年間でも10冊読むか読まないか程度の読書量でしたので、個人的には劇的な変化です。
速読によって、本がたくさん読めようになると、家庭も仕事も自分のことも、どんどん視野が広くなって、楽しめるようになってきました。
今回の記事は、そんな速読のコツとその方法をポイントにまとめています。
速読や多読に関する書籍を読み漁ってできた、速読トレーニングなしの速読方法です。
お金をかけずにできます。
よかったら参考にしてください。
速読のトレーニングなしで月30冊の読書。3つのコツと4つの方法。
ページをじっくりめくるタイプだった私
元々本を読むのは好きでした。
むしろ作品をじっくり丁寧に読むタイプでしたので、
速読とは非常に遠いところにいました。
速読は作者への冒涜。
そんな思いこみがありました。
ですので、読書は時間がかかりました。
そして時間がかかることで、徐々に読むことがしんどくなってきたのです。
そんな私が、今の速読スタイルに満足できています。
むしろ早く知りたかったとさえ思います。
たのしいけど、しんどい。からの解放
私は速読のトレーニングの類を受けていません。
眼球の動かすスピードが変わったわけでもありません。
ですので、私のやっている速読は、一般的な速読術とは少し勝手が違うかもしれません。
ただ、我流とはいえ、速読が出来るようになって、「楽しいけど、しんどい読書」の【しんどい】から解放されました。
読書というものをどう捕らえるか。
そこに速読のコツがあると思います。
速読方法の種類について
速読の方法にはいくつかの種類があります。
- ベーシックタイプ
- フォトリーディングタイプ
- スキミングタイプ
- スキャニングタイプ
私がやっているのはスキミングタイプをベースにした速読方法です。
スキミングタイプの速読方法とは
重要なポイントをおさえながら、文章全体を飛ばし読みをしていく手法です。
ざっと読むという意味をもつ「skim」から。
制限時間のあるテストなどでも使われる手法です。
先に問題を確認した上で、本文をざっと読みし、問題の解答に必要な箇所をおさえていきます。
スキミングタイプの問題点
重要なポイントとポイントの間は飛ばし読みをします。
その飛ばした区間は、読者の想像力や経験に基づいた知見で埋めていきます。
ですので、小説やエッセーなどの繊細な表現や文体そのものを味わう読書には不向きの速読方法です。
速読にもさまざまな種類があります。
それぞれの手法の特長を理解すると、取り入れたい速読方法も変わってくると思います。
私が本を読むのが好きになったのは原田宗典さんのエッセーからで、それから様々な作家さんのエッセーを読み、そして小説を読むことになっていく学生時代を過ごしていましたので、今でもエッセーや小説は大好きですが、組織論やマーケティング、生産性といったビジネス書、思想に関する本、科学の本、トレーニング関連といった、それ以外の本もたくさん読みたいと思っています。
今回の記事でご紹介するのは、小説やエッセー【以外】の本を読む際に、実践している速読方法です。
速読のコツ1 考えを改める。
簡単に言ってしまえば、速読術とは、キーワードをあらかじめ意識し、その隙間を高速で埋めていく技術なのだということです。何の手がかりもない本をはじめから忍耐強く読んでいくと言う、日本の義務教育で教えてきたやり方とは全く違う方法です。
今まで速読出来なかったことの一番の要因は、
こうした気持ちに切り替え出来なかったことでした。
その本から得られる事が100書いてあるとしたら、100をきちんと読み解かなくてはいけない。
一言一句丁寧に読み、
なんなら、行間も読みとき、
著者の思いの120%まで引き出さなければならない。
そんな呪縛に絡めとられていました。
価値を感じる1%に出会う
巷の速読術では
- 単語をつなぎあわせる
- かたまりで読む
といったことがとりあげられています。
読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」こと
その本から得られる事が100書いてあるとしたら、そのうちのせいぜい10%程度しか得ることができない。
それが私のインプットの限界。
こんな考え方に基づくようになって、いい意味で、脱力して、雑に、本を読めるようになりました。
速読のコツ2 アウトプットを前提とする。
本好きなのに内容を忘れてしまう
本が好きなのに私はよく内容を忘れてしまいます。
ですので、メモする、書き出すなどといったアウトプットして、定着させるところまでをワンセットとします。
自分なりの解釈を加えて、第三者に紹介するといったことを前提とした読書です。
すべての本が自分にとっての良書ではない
またすべての本が自分にとって良書とはかぎりませんので、
この2段階方法をとることによって、
【ざっと読んで】
→【定着させたいな】/【いや、いいかな】
のフィルターにもなり、
無駄な時間を消費せずに済みます。
速読のコツ3 スマホを駆使する。
メモする、書き出すといったアウトプットを、なるべく素早く、簡単にするために、スマホを駆使します。
フリック入力や音声認識の精度が高まったことで、この速読方法は成り立っています。
では実際に私がやっている速読方法を具体的にご紹介します。
速読の方法1 あとがき、作者のプロフィール、目次を読む。
あとがきを読んで全体を把握します。
いきなりあとがきから読みます。
あとがきでは、著者がこの本を通じて、読者の方に伝えたかったことの要点を、再確認していることが多く、その本の全体像を把握することができます。
あとがきは、著者のリラックスした文体で書かれていることも多いので、親近感も湧いてきます。
プロフィールから著者に近づく
そのまま著者のプロフィールも確認しましょう。
著者の「リラックスした文体」と「経歴」を通じて、自分の心の中に著者のキャラクターをイメージします。
「そういえば、高校のクラスメイトに、居たかも・・・」
くらいの距離感まで近づきます。
そのキャラクターがあなたに話しかけてくると思ってください。
目次で全体像を少しずつ明らかにしていきます。
あとがきで捉えたこの本の全体像を、もうすこし具体的にしてくれるのが目次です。
いわば、映画の予告編のようなものです。
目次を読んでワクワクするようなコンテンツがあれば、もうすでに、その本を読んだ価値があります。
速読の方法2 引用したい文章のページ数をメモする。
それでは実際に読んでいきましょう。
「書くために読んでいる」という意識で本を読むようになると、「覚えるために読んでいる」という面倒な固定観念が脇に押しやられますから、読書が非常に楽になります。
このパートで重要なことは、
- 覚えることはいったん脇においておく。
- 気になったところを選別することに集中する。
ということです。
スマホを片手に本を読む
スマートフォンを片手に本を読みます。
メモアプリを立ち上げながら、本を読み進めていき、気になった文章のページ数をメモしていきます。
iphoneでは、純正のメモアプリが一番反応が早いと思いますので、私はそれを使っています。
気になったワードが書いてあるページの番号をどんどん記録していきます。
ビジネス書であれば、最近は特に大事だと思われる箇所は、太字になっていることが多いので、目に飛び込んできやすいですね。
直感的に動く。スポーツのような読書
感覚的に「いいな!」と思ったら、ページ数を確認するだけです。
こうして数字だけメモをとっていきます。
じっくり考えるのはあとです。
考えずに、感覚で、直感で、
どんどん先に進みましょう。
こうすると、今までの読書スピードとはまったく違う速さで読むことができるのではないでしょうか。
おそらくこの読み方ですと、200ページ程度の本であれば30分程度で読み終わるでしょう。
速読の方法3 メモしたページに戻り、気になったテキストを書き出す。
引用したい箇所をテキストにする
今度は思考する時間です。
メモしたページに戻り、どのテキストが気になったのかを思い出します。
何故気になったのかも考えながら、抜き出していきます。
この時点で本の全体に目を通していますから、メモした箇所を振り返ったとき、他のメモしたところよりも、そんなに大したことではなかった、ということもあるかと思います。
そのときは書き出しません。時間がもったいないです。
いらないと決断する読書
「やらなくては」ではなく「やると決める」「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部をやらない」(エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする/ページ15)”
いらないと決断する練習を、日々の読書から習慣づけていきましょう。
私は、ひとつの本から多くても、
引用は10個まで
とルールを設けています。
書き出しはスマホの音声入力で。
みなさん、スマートフォンの音声入力を使ったことはありますか?
自分の声を文字にしてくれる機能です。
フリック入力もだいぶ早くなってきたと自負していましたが、音声入力のスピードはそれを軽々と凌駕するほど圧倒的速さで認識していきます。
しかも、速読にむいています。文章を読み上げることと、音声入力の相性が抜群です。
自分で読み上げることで、聴覚からの認識。選別したテキストがメモアプリに残っていく視覚認識の効果。
ダブルの読書効果が見込めます。
速読の方法4 本を紹介するためのメモ整理をします。
自分なりの解釈を加えて、第三者に紹介する
最後の仕上げはメモの整理です。
この本のことを知らない第三者に伝えるために、といった視点で整理します。
抜き出したメモの中で、一番印象に残ったテキストを決めます。
そして、何故その一文を抜きたいと思ったのか、どんなことに感心したのか、
自分のコメントを入れていきます。
ヴィレッジバンガードの黄色いPOPのようなメッセージ性のつよいタイプもあるでしょうし、
著者と読者をかすかにつなぐような、手繰り寄せる糸のようなコメントだってあるかもしれません。
そのコメントが出来たら、完成です!!
おつかれさまでした!
まとめ
おそらく200ページの書物であれば、
2時間程度で方法4までたどり着くはずです。
私は最後の一言メモをevernoteで管理していますが、手書きの読書ノートをつくってもいいかもしれません。ページが埋まっていくのが、ひと目でわかるのは、自分の成長がわかって、楽しいですよね。
いくつかの速読・多読関連書籍と、効率や生産性に関する書籍からエッセンスを取り入れた、我流の速読読書法をご紹介させていただきました。
さいごはフランスの小説家ダニエル・ペナックの「読者の権利十カ条」をご紹介して終わりにします。
- 第一条、読まない権利。
- 第二条、飛ばし読みする権利。
- 第三条、最後まで読まない権利。
- 第四条、読み返す権利。
- 第五条、手当たり次第何でも読む権利。
- 第六条、ポヴァリズム(小説に書いてあることに染まりやすい病気)の権利。
- 第七条、どこで読んでもいい権利。
- 第八条、あちこち拾い読みする権利。
- 第九条、声を出して読む権利。
- 第十条、黙っている権利。
元々読書は自由なものです。
自分なりの読書方法を見つけていただき、みなさんの読書生活がさらに有意義になれば、
こんなにうれしいことはありません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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