今回は「金持ち父さん、貧乏父さん改訂版」のレビューです。本書によって、お金と労働、時間の使い方、お金の使い方について、考え方をガラリと変えさせられました。名前は知っていましたが、もっと早くに読みたかった一冊です。
【レビュー】「金持ち父さん、貧乏父さん」【感想】
著者は47歳でビジネス界を引退したアメリカの投資家、実業家。
著者のロバート・キヨサキ氏はアメリカの投資家、実業家であり、47歳でビジネス界から引退した人物。
1997年に著書『金持ち父さん 貧乏父さん』を執筆、全世界で51カ国語に翻訳され、109カ国で紹介。
多くの経営者、ビジネスマンからの評価も高く、若い内に読んでおいた方が良い書籍として推薦されています。
お金のために働かないということ
どっちの父も教育と学習の持つ力に大いに敬意を払っていたが、学習すべき対象となると意見が大きく違っていた。
(中略)
もう一方の父はお金持ちになるために学ぶ、つまり、お金がどのように動くかを理解し、お金のために働くのではなくお金を自分のために働かせるにはどうしたらよいかを学ぶことを奨励した。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ15)
本書は物語形式(もしくはソクラテス問答式)で話が進みます。
金持ち父さんは、お金のために働くなといいます。
ここにはじめはピンと来なかったのですが、次第にこの感覚がつかめるようになってきました。
- 消費する労働=労働時間の対価がお金になる
- 資産になる労働=仕組み(ビジネス)を生み出し、その仕組み(ビジネス)が利益を生む労働。
一生懸命働くだけではダメだと言うのは、増えた収入のうちの大部分がいまあげたような仕組みで他人のふところに入ってしまうからだ。一生懸命働いたら努力した分がそのまま自分や自分の家族の利益になるための方法を学ぶ必要があるのはこのためだ。
働いた分がそのまま自分の利益になるように、自分自身のビジネスと呼べるものを持とうとして決心した人は、次に、どうやって目標立てたらいいかという問題にぶつかる。たいていの人はいまの仕事はやめずに、そこからの給料を貯めて資産を回すことになる。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ100)
つまり、労働時間をいきなりお金にかえるのではなく、労働時間を仕組みづくりにあてて、その仕組みから生み出される利益を得る。というもの。
アルバイトの時給思考から、今も特に変わってなかった
私自身、学生時代「アルバイトで月に○○時間働いて、10万!」といった働き方をしていました。
お金を稼ぐ=何時間働いていくら。という時給思考な考えでいましたから、ハッとさせられました。
就職した今、ポジションや権限において、出来る仕事のステージは学生の頃とは違うのですが、
自分の適性や方向性を日中の時間を労働にかえた給料と、大学生の頃のバイト代。
お金を得る流れというものは、就職しても変わっていなかったのです。
お金は資産につかうのか、消費財につかうのか
資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金をとっていく
知らなくてはいけない事はほんとにこれだけなのだ。金持ちになりたいなら、ただ「資産を買うこと」に生涯を捧げればいい。中流にとどまっていたい人は負債を買えば良い。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ80)
お金の使い方に関しても本書には書かれています。
わが身を振り返ると、お金をつかうことに対して【資産につかう、負債(消費材)につかう】といったことなんて、考えたこともなかったです。
ですので、この視点は非常に勉強にもなり、「消費」にばかりを使い続けてしまったかもしれない、といった後悔もわいてきました。
だから、自分のビジネスを持つことを考え始めることが大事だ。これまでやってきた昼間の仕事はその後続けながら、本当の資産、つまり自分では資産と思っていても実際は負債だったり、買った時点で大きく価値が減少してしまうような消費財ではなく、利益を生む本当の資産を買い始めることだ。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ108)
自分の労働と時間、お金、資産づくりにむけて、意識すべきだと思ったわけです。
この価値観があると、あらゆることを主体的にコントロールしていきたくなります。
自分の資源(適性)を限られた時間の中で、どう最大化するかに関心がいきます。
自分の労働をお金にかえるか、資源にかえるか。
現在、経済的な苦境に悩む人(それを解消しようといっそう仕事に精を出している多くの人も含めて)の中には、昔の考え方に固執していると言うだけの理由でそうなってる人がおおぜいいる。このような人たちは、何もかも昔のままであってほしいと望む。つまり、変化に抵抗するのだ。仕事や家を失いかけて、それを技術革新のせいや、不況、あるいは経営者のせいにする人が私の知っている人の中にも何人もいる。
彼らの不幸は、自分自身が問題なのかもしれないと気づいていないことだ。古い考え方は彼らにとって最大の「負債」だ。その理由は簡単だ。そういった考え方が古いやり方は昨日の「資産」で、昨日という日はすでに過ぎてしまっているからだ。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ133)
時給思考でいると、このような問題に直面するのではないでしょうか。
かつての自分を振り返ると「自分の給料が上がらないのはなぜだろう」といった不満は当然ありました。
その不満は、労働がお金に直結した考えだったからではと今は思います。「こんなに働いているのに」という不満の、『こんな』には(成果)もあったかもしれませんが(労働の頑張り)を評価してほしい気持ちがたぶんにあったわけです。
今は、自分の労働をいかに企業の資源化できるかが、最大の関心ごとです。
その資産は少しずつ変化(腐っていく)していく。新しいことを学ぼう。
私は最近、多くの人がお金の心配ばかりしていて、もっと偉大な富、つまり「教育」に心を砕こうしないことに懸念を抱いている。柔軟性を持って新しいものを喜んで受け入れ学び続けるならば、人は変化を乗り越えるたびにどんどん裕福になっていく。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ74)
残念ながら、資源化した途端に、その資源は少しずつ腐り始めてしまいます。その腐りに敏感なるアンテナ磨きも、過去の自分の提案を超えることも、学びには詰まっています。
全てがどんどん変わっていく現代においては、あなたは何をしているかはもうあまり意味を持たなくなっている。なぜならあなたが知っていることが文字が遅れになっている場合が多いからだ。問題なのはいかに早く学ぶことができるからだ。この技術を身に付ける事は非常に大切だ。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ223)
早く実行して、早く失敗して、早く学ぶこと。
このサイクルをどんどん繰り返していきたい。
失敗して当然であって、次の手をどんどん打てばいいのだ。という強いマインドが持てたらと思います。
失敗が悪じゃない。失敗から学ばないのが悪だ。
失敗に関しても、下記のような言及があります。
私は現在の学校教育が馬鹿げていると思う理由はここにある。学校では、間違えるのは悪いことだと教えられ、間違えると罰を受ける。だが、実際に人間がどのように学ぶかを考えてみればわかるが、人間は間違えることで学ぶ。私たちは転びながらあることを学ぶ。もし、また転ばなければ、張ることができないだろう。
(中略)
金持ちになるのも同じだ。残念ながら、多くの人が金持ちじゃないのは、損をするのを恐れているからだ。勝者は負けを恐れないが、敗者は負けを恐れる。失敗は成功に至るプロセスの1部だ。失敗を避ける人は成功も避けている。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ157)
「○○しちゃダメ!」の指導は、組織内で働くのであればよいかもしれないが、極度に失敗そのものをおそれる人を生み出してしまいます。
余談ですが、幼稚園に通うむすめが、今、失敗を非常におそれていて、心配しています。いい意味で慎重でもあるし、悪い意味では臆病でもああります。
失敗は悪じゃない。
失敗から学ばないのが悪だ。
という考えは私も実践していき、むすめにも伝えていきたいと思います。
「じゃあ、お金ってなに?」
(中略)
「『これがお金だ』ってみんながどうして決めたものだ」金持ち父さんの答えはいつもこれだけだった。
私たちだれもが持っている唯一の強力な資産は私たちの頭だ。頭をうまく鍛えれば、あっというまに富を作り出すことも可能だ。反対に頭を鍛えない場合も何かを作り出すことができる。それは何世代にもわたって家族を苦しめる貧困だ。
(改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) ページ140)
読書は世界を広げてくれます。
本書は私をその世界の入り口に立たせてくれました。
あとはどんな行動をとるか。
結局、それだけなんだと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
けん( @ikukenlabo )でした。
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