B2B領域でのセールスで成功を収める理由を分析し、再現性を持たせたのが本書。
5つの分類分けから意外とも思われる「チャレンジャー」タイプの行動や思考について、詳細に紹介されます。
本書が指摘するのは主に営業手法。
ですが、他の領域でも活用できるポイントが多々あります。
WEBマーケで活かせることも多かったです
インバウンドマーケティングが注目されている中、何をすればいいの?と迷っている方もいるはず。
さらに具体的な一歩を踏み込みたいなら、本書は必読の1冊です。
本書を読むと下記のことが掴めます。
では、一緒にみていきましょう。
チャレンジャータイプとは何か
まず本書が定義する5つのタイプを確認していきましょう。
ここで、5つのタイプをもう一度見てみよう。
・ハードワーカー(勤勉タイプ)
・チャレンジャー(論客タイプ)
・リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
・ローンウルフ(一匹狼タイプ)
・リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)・・(中略)
ページ11
トップの座を獲得したのは、むしろ扱いにくく、顧客にも上司にも言いたいことを言う「チャレンジャー」(論客タイプ)だった
なんと、チャレンジャータイプが他のタイプに比べて2倍以上の成績を上げているということ。
チャレンジャータイプの営業スタイルの方は何をやっているのでしょうか。
顧客のニーズを尋ねるよりも、顧客のニーズを教えるほうが営業テクニックとしては有効だ。「チャレンジャー」はまさにこれを実行している。結局のところ「チャレンジャー」は、一流の質問者というよりも一流の教師である。
ページ74
われわれの分析では、調査した44の属性のうち6つが、販売員を「チャレンジャー」と判断するうえで統計的に有意だった。
ページ46
・顧客に独自の視点を提供する
・双方向コミュニケーションのスキルに優れている
・顧客のバリュードライバー(価値向上要因)を心得ている。
・顧客のビジネスの経済ドライバー(業績促進要因)を特定できる。
・お金の話をいとわない。
・顧客にプレッシャーをかけることができる
今の時代の営業は、プロダクトセールスではなくソリューションセールスが求められています。つまり顧客のニーズに応えていくスタイルです。
ただし、ここで重要なのは、その顧客自身が自分のニーズ、課題に気がついてないことが多い点。
つまり、チャレンジャータイプのような、顧客が何に困っているかを指摘する、そういった視点を持つ営業のスタイルが重宝されるということです。
ここには、営業体験の決め手となる特徴が挙げられている。
ページ85
・市場に関する独自の価値ある視点を提供してくれる。
・さまざまな選択肢を検討する助けになる。
・継続的なアドバイスを提供してくれる。
・「地雷」を避けるのに役立つ。
・新しい問題や結果について教えてくれる。
この一つひとつが、顧客は何かを買いたいのではなく、何かを知りたいのだと示している。
チャレンジャータイプの営業を体験した顧客の感想です。
顧客は、良くなりたいのではなく、失敗したく無いという思いが強く現れています。
これに対して「チャレンジャー」は、「先導し、簡素化する」。複雑なソリューションの購入方法を顧客が知っている、と考えるのではなく(ことソリューション営業に関しては、それは誤った前提である)、むしろ顧客にソリューションの購入方法を指導する。過去の成功した営業活動から推測し、学んだことを活かして顧客の購買行動をサポートする。誰が関与すべきかと問うのではなく、誰が関与すべきかを顧客に指南するのだ。
ページ181
ここまでくると顧客が真に求めていることが何かわかってきます。
顧客が何よりも望んでいるのは、売り手が有益な知見(インサイト)を提供してくれることである。インサイトとはすなわち、顧客自身がそれまで考えもしなかった、コスト削減や利益アップの新しいアイデアのことだ。
ページ265
それまで考えもしなかった、コスト削減や利益アップの新しいアイデアを生み出すために、本書には、さまざまなフレームワークやコーチングガイドが用意されています。
それらのツールを知るだけでも、書籍代の元を取って、有り余るほどの価値があります。
さらに、本書の巻末には、自分がどのスタイルか診断できるツールがあります
まとめ
B2Bで成功する営業スタイルを十分なデータから検証し、具体的手法を明らかにする本書は、従来の営業的な価値観を打破するのに、十分な内容でした。
顧客ニーズという言葉の真の意味がわかり、御用聞きのようなスタイルから脱却できます。
本書では自分の営業タイプがどこに当てはまるのかが簡単に診断できますので、今の営業スタイルに悩んでいるのであれば、本書を活用して見直すのも、おすすめの読み方です。
他にもビジネスを深掘りできる様々なツールが示されていますので、それを知るだけでも、読書価値の高い一冊と言えます。
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